三陸牡蠣復興

三陸牡蠣ノボリ1000本プロジェクトにかける想い

三陸牡蠣ノボリ1000本プロジェクト
www.sanrikukaki.com

僕がまた変なことを始めた、と思う人もいるだろうし、いつも儲からないことをして大丈夫かと心配してくれる人もいるだろうし、僕自身の売名行為だけだと思う人もいるかも知れません。

僕は震災後、自分が正しいと思うこと、自分がやらなければならないと思うことは、誰にどう思われても全く気にならなくなりました。

何故なら、どんな人と話しても、僕の心境というか境地を理解できる方は少ないと感じるからです。

表層的な面を取り上げ、売名行為だとか、結局は自分のビジネスか、と思う人は単に実情を知らないだけであって、実情を知っていただければすぐに問題ではなくなると思っています。

もちろん、僕がこうしたプロジェクトをやればやるほど、プライドを傷つけられる団体があるかも知れません。でも僕はそうした団体に気を遣ってしまい、本来やらなければならないことができなくなるのを大変恐れています。

だから、僕自身は、誰に何を思われてもいいのです。

正直、僕の会社としてはプロジェクトをすればするほど人件費がかさみ厳しくなります。
このようなプロジェクトは、補助金をいただいてやっているワケでもないし、直接的な広告宣伝にもなりません。

じゃ、何故、君はこうしたプロジェクトを立ち上げようとするのか、と問われれば、

今、自分の大切な人たちが困っているから手助けしたい、と答えるでしょう。

もちろん、大切な人たちというのは、三陸の牡蠣生産者や彼らの家族です。
僕が大切にしたいと思っている方々です。

今年になってきて、皆さんのおかげで、ようやく、三陸牡蠣の復興が見えてきていました。
津波で流され、その後、建てられなかった牡蠣処理場ができ、海の養殖施設も震災前の1/3や半分くらいにまでなってきたところが多いのです。

しかし、今年のシーズンに入ったところで、異変が起きていました。

牡蠣の剥き身の価格が上がらないのです。

理由は2つと思います。

1つ目は、風評被害。
特に三陸でも宮城のほうが福島に近い分、放射能検出がゼロでも風評被害はゼロにはなりません。

2つ目は、販路が回復しないこと。
震災後、一度失った販路が、すぐに震災前に戻ることはないということです。

これだけなら、時間が解決すると思うかも知れません。

しかし、僕は全然違います。

この復興が1/3から1/2の規模であってもこの状況だと、来年、再来年に震災前と同じ生産高になったら、大変なことになる、と非常な危機感を抱いています。

今でも売るのが大変なのに、今シーズンの生産高よりも、2倍、3倍の生産量になるのです。
どう考えても、今シーズンよりも売ることが遙かに厳しい未来が待っているとしか思えません。

つまり、三陸牡蠣業界において、致命的な打撃を受ける可能性を感じるのです。

もちろん、販売には、売り手の論理では売れません。
やはり良い物を適正な価格で買ってくださるお客様がいなければ、売りたくても売れません。

それは解っていますが、まだまだ売る努力が少ないことも事実なのではないかと思っています。

といって、ウルトラC的に爆発的な販売量に伸ばすことが不可能なら、地道に、三陸牡蠣の販売を伸ばすしかありません。

今回の「三陸牡蠣ノボリ1000本プロジェクト」は、地元のラジオ局の知人とお話ししたことがキッカケでした。

彼が僕に「牡蠣の本場である宮城、仙台なのに、牡蠣シーズンに入っても、牡蠣を売っているかどうか解らないよね。」とお話しされました。

その言葉を思い起こしながらオフィスへ戻る帰り道、このプロジェクトを思いつき構想しました。

牡蠣シーズンになったら、三陸牡蠣を扱うどの店でも、共通のノボリが立って、牡蠣を売ったら、とてもいいだろうな、牡蠣を食べたいと思う観光客ももっともっと集まるかも知れないし、そしたら、もっともっと牡蠣が売れるな、と思ったワケです。

その場合、自社の利益、自社のPRを中心に考えてはならないと思いました。

自社のメリットを中心に考えた途端、このプロジェクトは立ち上げられないと思ったのです。
自社のメリットは後回しにしました。
まずは、このプロジェクトをやったら、楽しいだろうし、みんなで三陸牡蠣を盛り上げられるのではないかと思う気持ちが大事だと思いました。

このプロジェクトを応援して下さったところも同じです。
ノボリに協賛される自社の会社名を入れることを条件にされなかったり、競合でありながらも、ともに協力して下さったりと。
とてもありがたいです。

僕は、このプロジェクトは、とても小さなもので、地方の東北の一地域で、ささやかな運動にしかなりませんが、しかし、想いが拡大すれば、きっと意味のあるものになると思っています。

地方で、逆境から立ち上がる物語として、地方を思う人たちを勇気づけるものになると思うからです。

ぜひ、可能な範囲で、皆さんからの応援をいただければ嬉しいです。クラウドファンディングで、3000円からのご支援が可能です。

どうぞよろしくお願いします。
こちらから