12月21日に地元紙である河北新報の「宮城カキ出荷休止」報道を皮切りに、他の新聞、テレビ局に至るまで、「宮城県産牡蠣が全産地出荷停止」の文字と言葉が踊り狂い、あたかも牡蠣がノロウィルスによる被害の加害者かのように報道されました。
当社の事業は主に殻付き牡蠣の販売ですが、その影響で、売上は下がり、またスタッフもその説明に追われていました。
売上が下がったから、異論があるのではなく、報道の仕方に問題があると感じるのです。
剥き身が出荷停止になっただけで、殻付き牡蠣は出荷停止にならず、産地によっては生食用の殻付き牡蠣も出荷しているからです。
逆に、今後「安全宣言」が出たら、全く問題ない、ということもありません。
なぜなら、自然には、多くの微生物が存在し、牡蠣の旨味をつくるのも、それぞれの産地の海で育ったプランクトンだし、当然海にある菌も含まれています。
陸上で、クリーンルームのような建物の部屋で育てるならまだしも、自然の海で育つものだから、菌はゼロになることはありえませんが、しかし、正しい知識があれば、全く問題がないのです。
牡蠣などの二枚貝は、中心温度90℃、90秒以上の加熱でノロウィルスは全て死滅します。
ただ問題は中心温度なので、表面だけでは弱いです。
焼き牡蠣にする場合、網焼きでも鉄板でも、牡蠣全体を覆う蓋をすることが重要です。そうでなければ、殻が90℃以上になっても、身の中心部までは90℃に加熱されない可能性があります。
ご自宅で、焼き牡蠣、蒸し牡蠣は、必ず「蓋をする」ことを心がけていただければと思います。
またシーズン始まりのときは、殻の中に海水がだいぶ含まれている場合があります。海水が多いと、十分に加熱されない場合があるので、時間を長くすることも重要です。
当社の運営するカキ小屋仙台港では、炭火網焼きで蓋をして、最低5分間としており、牡蠣の身の状況によってはそれよりも時間を長くする場合もあります。
牡蠣フライも同様で、周りが揚がったからではなく、十分に中心部まで加熱されるようにすべきです。
特に冷凍の場合には、解凍時間も含めて、7〜8分は必要かと思います。プロが使うフライヤーなら時間は短縮されます。当社の運営するオイスターマニアのフライドオイスターも十分に加熱してから提供しているので安全です。
繰り返しますが、牡蠣は自然のものです。人工的に作っているものではなく、大自然の海に委ね、餌を人が与えることもしません。自然の恵みをたくさん吸い込んでいるだけなのです。
そのために牡蠣は海の状況にダイレクトに影響されますが、仮に衛生検査の結果、生食が不合格となっても、正しい知識をもち、調理の仕方で、全く問題なく美味しくいただけるのです。
こちらのほうに牡蠣レシピを載せています。
→ 旨い牡蠣レシピ
また次のこれは僕の大好きな牡蠣レシピです。どうぞ美味しく、安全にこの季節の牡蠣をお楽しみください ^^