三陸牡蠣復興

カキ小屋パートナー制度、まもなく始動

何度も書いている通り、三陸牡蠣産業は、2度目の危機を迎えています。

最初の危機は、2011年東日本大震災によって施設が壊滅したことによる牡蠣生産の危機
今回の危機は、東日本大震災で販路縮小となった三陸牡蠣が生産しても売れないという販売の危機

2011年の震災から2週間後に生産の危機に対して行った三陸牡蠣復興支援プロジェクトで、確かに、多少なりとも復旧・復興へのキッカケを提供できたと思いますが、それはあくまで、クルマの両輪の一つの車輪に過ぎませんでした。

また東日本大震災をバネに新しい養殖方法による今までにない付加価値をもった殻付き牡蠣を作ろうと、2011年12月に、19名の三陸牡蠣生産者と株式会社和がきを設立し、フランス式牡蠣養殖に取り組みはじめました。

しかしそれもまた、生産の一部の話しです。

大切なのは、もう一つの車輪である「販売」です。

その取り組みの一つが、カキ小屋づくりでした。2012年2月、石巻で初めてのカキ小屋「かき小屋渡波」をつくり、2012年4月には、仙台で初めてのカキ小屋「かき小屋仙台港」をつくりました。

2013年には、ベトナムにスタンド式KAKIGOYAをつくり、需要喚起のために、2013年12月には「三陸牡蠣ノボリプロジェクト」を立ち上げ、三陸牡蠣を取り扱う飲食店に無償で共通ノボリをプレゼントするキャンペーンを行いました。

2013年10月に主催した「三陸オイスターフェスティバル」も、三陸牡蠣を盛り上げて、三陸牡蠣を愉しんでいただこうというイベントでもありました。

しかし、力不足により、まだまだ販路づくりが出来ているとは言えない状況です。

何かしようとしても、資金がかかり、とても当社のような中小零細企業として、三陸牡蠣の失った販路を新たに作ることは難しいと悩んでいました。

そんなとき、時々目にする首都圏などの都市部で展開されるカキ小屋のニュースを知り、一つのチャンスだと思いました。

昨年夏から始めた飲食店卸販売以上に、もっと積極的にカキ小屋づくりに関与し、三陸牡蠣の販路を確実に作っていけないものだろうか、と。

まだ骨子も定まらない中、カキ小屋FCを考えていることを伝え始めると、どこからともなく、興味があるから是非お話しを聞きたいという方が出てきました。

僕は、三陸牡蠣の真の復興には、まず縮小してしまった販路を取り戻すのではなく、新たな販路をつくりたいという思いを伝え、また、宮城の種牡蠣は、震災前、日本全国の牡蠣生産の80%のシェアを持つ名産地であり、60年代終わりにフランスで牡蠣が絶滅しかけたときに、フランス牡蠣産業を救ったのは、宮城の種牡蠣であり、その宮城の牡蠣産業の復興が、牡蠣全体に関わるということを理解してもらいながら、当社のパートナーになってほしいと考えました。

FC(フランチャイズチェーン)として、展開せず、パートナー制度として、緩やかな関係であるように考えたのは次の理由からです。

● カキ小屋は、共通ロゴ、共通店名、共通価格、共通販売システムにすることに相応しくないと考えた。
→「カキ小屋」は商標登録できない誰でも使えるものであり、既存店の場合の屋号はそのままが良い場合もあり、防火地域や準防火地域、それ以外の地域では加熱方法などの展開方法が異なり、生食を出すオイスターバーライクなカキ小屋と、浜に近いカキ小屋では、客層による単価の違いも大きいため、あらゆることを共通にすることに相応しくない業態だと思った。

● 本部(フランチャイザー)と加盟店(フランチャイジー)という上下の関係は好きではない。
→僕は15年間以上、大手コンビニのオーナーとしてFCシステムを利用してきたが、経営者として考えた場合、FCほど面白みのない事業はないと思った。また本部の意向に沿わないとすぐに契約に関わるという指導をされ、ともに対等な事業パートナーという関係ではないと思ったので、共通の志(思い)を持つ緩やかなパートナー制度のほうが望ましいと考えた。

ようやく、カキ小屋パートナー制度のシステムの骨子が出来てきましたので、来月には募集しようと思っています。

当社のカキ小屋パートナーは次のメリットがあります。

● 主原料となる殻付き牡蠣を安く安定的に仕入れられます。
● 焼き牡蠣用の牡蠣だけではなく生食用の全国の牡蠣(約40箇所)も低価格で仕入れられます。
● 牡蠣以外の食材などもワンストップで仕入れられます。
● ロイヤリティー(手数料)はありません。当社は牡蠣卸販売の収益で運営します。
● カキ小屋立ち上げから運営のノウハウのアドバイスを無料で受けられます。
● 当社の運営するカキ小屋でトレーニングを受けられます。
● 当社の保有する牡蠣ファンに無料で宣伝を行います。
● 専用ウェブサイト(www.kakigoya.com)に無料で店を紹介し集客を支援します。

三陸牡蠣の真の復興を目指し、新たな販路の一つとする「カキ小屋パートナー制度」をよろしくお願いします。