オーストラリア大使館、総領事館の主催によるオーストラリア牡蠣養殖セミナーが、先週から今週にかけて、東京、石巻、広島で行われました。
オーストラリアからは、経験豊富な牡蠣生産者、バスケットメーカー社長、選別機メーカー社長が来日され、セミナーを通して、オーストラリアの牡蠣養殖事情を説明して下さいました。
どこも多くの生産者、牡蠣関係者が集まり、交流会でも賑わいがありました。
殻付き牡蠣養殖のためのセミナーで、これだけ関心を持たれたのは日本で初めてではないかと思われるほど、参加者の意識が高かったのも今回のイベントの特徴だったと思います。
日本では、剥き身牡蠣の流通が中心で、スーパーでは、剥き身牡蠣が売られ、飲食店でも牡蠣フライなど剥き身牡蠣が中心に使われています。
一方海外では、殻付き牡蠣の流通が中心で、オーストラリアでは97%の牡蠣が殻付きとして流通しています。
今回、この殻付き牡蠣養殖セミナーが盛況だったのは、2つの背景があると思っています。
1つは、年々、牡蠣消費量が減少していることによる先行き不安があるということ。
もう1つは、近年、殻付き牡蠣のニーズが増えてきており、オイスターバー、かき小屋の飲食店形態が増えてきているということ。
です。
僕は、三陸牡蠣業界の真の復興のためには、剥き身牡蠣生産から殻付き牡蠣生産にシフトすることが必要と日頃より説いていますが、日本国内における殻付き牡蠣マーケットが、少しずつでも増加傾向にあることを、ある意味、全国でも意識の高い牡蠣生産者は感じてるということだろうと思います。
しかしながら、生産寄りの話しは大変危険だと感じており、販売も伴わなくてはなりません。ちょうど車の両輪と同じように、殻付き牡蠣生産と販売は同時進行で進める必要があるのです。
といっても、付加価値のある殻付き牡蠣がなければ、見せることもできないため、両方の準備をしながら、生産を進めていくことが肝要だろうと感じています。
その付加価値のある殻付き牡蠣をつくるうえで、現在日本国内で利用されているのは中国製の丸カゴです。
シングルシードと呼ばれる種牡蠣を使わなくても、従来のホタテ貝殻で採苗した牡蠣を育成途中で分別し、カゴ入れすることで、多少、形は矯正され身入りも良くなりますが、問題もありました。
この写真のとおり、2つの問題があるのです。
1つは、オートメーションになっていないで手作業であること。
もう1つは、丸カゴは殻付き牡蠣の大量生産には向いていないということ。
です。
これらのソリューションが、今回のオーストラリアの自動分別機(グレーダー)とバスケットというわけです。
僕は、全国の生産者数からすれば、今回の参加人数は決して多くないかも知れませんが、今回、セミナーに出席された方々の中から、おそらく日本を代表する殻付き牡蠣養殖の先進的な生産者が生まれるだろうと感じています。
その結果、このオーストラリア牡蠣養殖セミナーが、日本における牡蠣養殖革命のキッカケだったと言える日が来るのではないかと思っています。
※牡蠣シーズンのため来たくても来れない生産者もいらしゃいましたので、後日、セミナー詳細をご紹介します。