ちょうど、6年前の今の時期でした。
東北では、粉雪が降る季節、私は、クルマで取引銀行へ何度も通っていました。
実はその年度の初め、社員が30名ほどいたのが、春には、わずか2名しか残らなくなったのです。
自社ITサービスや受託開発がことごとく失敗し、急成長を誇りにしていたのが、逆に急降下。
急遽、ソフト開発部門を事業売却し、人員は大幅に縮小。
株式を公開していたグリーンシートの維持もままならない状況になったのです。
そして、何とか会社を立て直そうと、ひとり取引銀行に行くときに、よく雪が降っていました。
クルマの中では、松任谷由実さんのCDをかけていましたが、その中の「雪月花」を聴くと、何か癒やされるような、そんな気持ちになったので、その取引銀行へ行くたびに、「雪月花」をリピートして聴いていました。
そのとき、文字通り、雪が多く降っていたのを、今でも憶えています。
それから、どうせやるなら日本一のネット牡蠣屋になろうと思い、幾度も北海道から九州まで、全国の牡蠣産地をクルマで走りまわり続けました。
その牡蠣屋のネットショップが、全国の牡蠣ファンの方々に少しずつ認知されはじめたとき、2011年の大震災発生。
思いは一つ、牡蠣生産者と牡蠣ファンを悲しませたくない。
それから、もう2年。
雪月花の曲で癒やされてから、6年。
6年前に縮小し、牡蠣屋に変わらなければ、ITベンチャーのまま。
もしそうなら、当然、震災後に復興かきプロジェクトは生まれませんでした。
この歌詞のように、哀しみは、時間とともに流れ、海へ注いでゆき、これからの喜びを分かち合っていきたいです。
久しぶりにこの曲を聴いて、6年前を思い出していました。