この三陸牡蠣ノボリは、震災でダメージを受けた三陸牡蠣業界を復興させるための一つのプロジェクトのものです。
年明けから、早ければ年末から、まずは仙台市内で三陸牡蠣を取り扱う飲食店で、このノボリが立ち始めます。
多くのご支援者、国や県のおかげで、宮城県の牡蠣産業は震災前の30〜40%ほど復旧してきました。陸上の牡蠣処理場も、新しく建ち始めました。
そのため、多くの牡蠣生産者、牡蠣関係者が、今シーズンに期待していました。
しかし
期待感は挫折感に変わりました。
牡蠣生産者が仲買人に卸す牡蠣の剥き身価格が、昨年の約半分になったからです。
理由は、販路が伸びていないにもかかわらず、生産量が昨シーズンよりも格段に増えているからです。
三陸牡蠣業界の販路は、震災で一旦リセットされました。
そして復旧する前に、他国、あるいは他産地の牡蠣が量販店に入り込み、入る隙がなくなってしまったのです。
それでも多少は販売できるところはあったため、昨シーズンは、販路に対し、生産量も少なかったので、大きな問題にはなりませんでしたが、今シーズンは、販路が回復しないまま、生産量が回復してきたので、問題が露呈してきたということです。
問題はこのままでは終わりません。
来年は、さらに生産量が伸びます。今シーズンの倍以上になります。販路が今シーズンとあまり変わらないようなら、さらに問題は深刻となります。
これは、イチ生産者、イチ牡蠣産地、イチ仲買人、イチ販売業者の問題ではありません。
宮城県の牡蠣業界そのものの危機なのです。
一方、岩手は宮城と異なり、今シーズンも、比較的、高値で推移しているので、問題がまだ出ないか、生産量に対し、販売先がある程度あるものだろうと感じられます。
その点、宮城は、危機的な状況です。
震災前、宮城産牡蠣を扱っていた販売先に、今の他の産地(広島や兵庫など)の牡蠣をはずして、宮城産の牡蠣を扱ってほしいとはいいません。彼らだって、事業をするのに必死だからです。
僕は、今まで牡蠣を扱っていなかった飲食店や小売店で、三陸牡蠣を扱ってほしいと考えています。
三陸牡蠣を扱ってみて、三陸牡蠣ノボリを立ててみてほしいのです。
きっと、牡蠣ファンが寄ってくると思います。
それだけ、牡蠣には人を寄せ付けるパワーがあり、人を元気にするパワーがあります。
もう一度、書きます。
僕は、三陸牡蠣の元の販路を取り戻すのではなく、新たな販路をつくることに、貢献したいと考えています。
プロジェクトサイトはこちら → 三陸牡蠣ノボリ1000本プロジェクト