海外牡蠣事情

タイの牡蠣事情

まず僕自身が考える特定商品の状況を新興国で確認するには、マーケット(客層毎のローカルマーケット、スーパーマーケット、デパート等)にどの程度、入り込んでいるのか、またその場合の価格を知ることが最初だろうと考えています。

何故なら、飲食店であっても、一般コンシューマを顧客としている以上、一般コンシューマがその商品を欲しているかどうかが重要であり、その商品のニーズがあるにもかかわらず、マーケットで売られていないとは考えられないからです。

 

そこで今回も、初めてのタイ・バンコク訪問なので、まずはマーケットを確認しました。

まず、バンコクにも他の東南アジアと同様に多種多様なローカルマーケット(市場)があります。バンコク最大と言われるマーケットが、この「クロントゥーイ マーケット」です。

クロントゥーイマーケット

とっても広くて、一通りまわるのに、30、40分かかる感じです。
ようやく見つけることができた牡蠣は、このように100gパックのもの。これが4、5店あっただけで、他のエビやカニと比べると圧倒的に少ない取り扱いでした。100gパックでどこも約90円です。

タイ牡蠣

 

幾つかの同じようなマーケットがあるなかで、綺麗なローカルマーケットもありました。「オートーコー マーケット」です。ターゲット客層が、他の低所得層が利用するようなローカルマーケットとは違い、中間所得層から富裕層、または在タイ外国人が利用するところと思われます。

オートーコーマーケット

やはりこの客層になると殻付き牡蠣がありました。日本もそうですが、どの国でも、殻付き牡蠣は高級な部類になりますね。

タイの殻付き牡蠣

 

一方、タイのハイレベルな中間層から富裕層、外国人向けのスーパーマーケットでは、このように牡蠣が売られていました。

スーパーの牡蠣(タイ)

値段は、さほどローカルマーケットとは大きく変わりませんが、殻付き牡蠣を見かけることはできませんでした。

 

また外国人やホワイトカラーが多いあるフードコートに行ってみると、剥き身牡蠣を利用した食べ物がありました。剥き身を卵やお好み焼きのようなものに絡めて焼き上げるという食べ物が結構食べられています。
タイ牡蠣

タイ牡蠣焼き

 

今回は訪問しませんでしたが、有名なオイスターバーが1軒あり、また殻付き生牡蠣を食べられる飲食店チェーン店もありますが、一般的に殻付き牡蠣はまだまだ流通していないようです。

タイの沿岸部で牡蠣は養殖されていますが、日本と同じように養殖現場で剥き身加工されて、バンコクまで輸送されているのかどうかも分かりません。

現在、タイで一般的に流通しているのは、殻付き牡蠣ではなく、剥き身牡蠣。そしてなおかつ小粒。時期的なもので小粒なのかどうかも分かりませんが、剥き身を使った料理のことを考えれば、小粒のほうが需要がありそうです。

 

さて、日本からタイへインポート(輸入)して、どのように牡蠣を販売するか、ですが、考えられる選択肢は次のようなものだと思っています。

1)殻付き生牡蠣を空輸し、オイスターバーへ卸す。
→ 取り扱ってもらったとしても大した量ではない。

2)凍結した殻付き牡蠣を船便で送り、日本食レストランへ卸す。
→ 多くの日本人がいるため、日本の殻付き牡蠣料理としての可能性がある。但し、殻付き牡蠣料理のニーズを掘り起こす作業を伴う。

3)凍結した剥き身牡蠣を船便で送り、レストランへ卸す。
→ これについては既に需要があるので可能性があっても、三陸の剥き身は優位性が低いために難しい。また地元産牡蠣との価格競争となり不利。

4)自ら販売する。
→ 現在ベトナムでやっている形だが、出店コストは高いと思われるので、出店前の試験販売が必要。現地パートナーが必要。

 

今回、日程的に、タイへ来るのは難しいかも知れないと思っていましたが、やはり来てよかったです。牡蠣の需要を少しは垣間見ることができました。やはり実際にビジネスするまでには何度も現地を見る必要がありますね。

特に仙台からタイへの直行便が今年の冬から始まりますので、きっと近い将来、具体的なビジネスに繋がると思っています。また今回知り合ったインポーターさんとも話し合いが継続できればと思います。

 

追加)
帰り際に立ち寄った高級スーパーで、海外からの殻付き生牡蠣が小売りされていました。
オーストラリアとフランスからです。このくらいの価格で空輸出来ているのはすごいですね。

Oyster in Thailand