Mar 25, 2017

牛たんの仙台から、牡蠣と牛たんの仙台へ

昨日、グランドオープンした「Oyster & Fish Dining かき蔵」は、新しいカタチを表現しています。

新しいカタチとは、カジュアルに牡蠣を愉しんでいただけるように、洋風のちょっと敷居の高いオイスターバーではなく、料亭のような高級な牡蠣料理店でもなく、料理、内装において、洋風、和風、どちらも包含し、気軽に入れるところです。

事業計画中、料理だけではなく、内装についても、洋風にするのか和風にするのか、内部で議論を重ねました。結果、和風をベースにしつつも、料理も雰囲気もそれにこだわらないものにしようとなり、洋風を包含するものを目指すことになりました。

そして、それに合わせた内装、それに相応しい店名はどうするか。

いつもはスタッフに考えてもらい、最終的にみんなで決めるところを、今回だけは僕のほうで店名候補を出し、スタッフのみんなに意見をもらおうと思いました。

何故なら、この店は最初からチェーン展開を想定し、会社の中核事業とするためのビジョンとマッチさせる必要があり、そうしたビジョンの形成には僕自身が携わり、同時に店名と内装のバランスも考えなくてはならないと思ったからです。

そうして僕は、内装のイメージを「蔵」と考えました。

蔵は和を表す建物でありながらも、最近では蔵の中にカフェがあったりと、洋風なところもあるからです。それはまさに、料理のコンセプトと合っていました。

蔵のイメージをもった内装となれば、店名として、牡蠣がある蔵だから、「かき蔵(KAKIGURA)」とするのは自然の流れでした。

そして同一店名がないかどうか、ドメイン名が取得可能かどうか、商標取得が可能かどうかを調査し、すべてOKということで、正式に「かき蔵」を店名としました。
 

もう1つ、これは店がオープンするにあたって、イメージしたことがありました。

皆さんご存知の通り、仙台は牛たんの街です。仙台市内、牛たん飲食店は多く軒を連ねています。 

一方で、震災後、牡蠣を取り扱ってくださる店も増えてきましたが、まだまだ牡蠣飲食店は牛たんと比べると少ないと思います。

皆さんご存知の通り、ここ宮城県は、牡蠣の名産地です。
広島に次ぐ産地という意味ではなく、世界ナンバーワンと言われる産地でもあるのです。

それは宮城県の牡蠣の種は震災前、日本全国80%のシェアがありました。
宮城で生産された種牡蠣が、日本全国、北海道、九州、三重、能登、広島、兵庫など、さまざまなところに運ばれ、それぞれの産地で本養殖を行うことによって、各地の牡蠣となっていました。

また1960年代から1970年代に、フランスの牡蠣が病気のために絶滅しかけたときに、宮城の種牡蠣がフランスへ渡り、フランスの牡蠣業界を助けたという歴史があります。今フランスで食べられる牡蠣の90%以上は宮城の牡蠣の子孫です。

またオーストラリア、アメリカなどにも宮城の種牡蠣は輸出され、世界全体で生産される牡蠣のなんと55%は、宮城の牡蠣の子孫なのです。(世界かき学会発表)

そういう意味で、世界の牡蠣の故郷は宮城である、と言っても過言ではありません。

だから僕は、仙台が牛たんの街、ではなく、仙台が牡蠣と牛たんの街として、認められるようになればと思っています。

ところで、2011年3月11日の東日本大震災・大津波によって、三陸牡蠣はほとんど流されてしまいました。何十年とかけて揃えてきた養殖資材、陸上の建物など、一瞬でなくなりました。

皆さんのご支援をいただきながら、三陸牡蠣復興支援プロジェクトで養殖再開のキッカケづくりをさせていただきましたが、しかしそれは、あくまで復旧のためのプロジェクトでした。

僕は養殖再開の支援をしながら、本当の復興というのは、決して震災前に単純に戻ればいいというものではないと感じました。何故なら震災前が決して良い業界ではなかったからです。収入が不安定であり、平均年齢は高く、50歳でも若手という業界だったのです。

だから僕は2011年の秋冬くらいから、真の復興とは、単に震災前に戻るのではなく、震災前よりも遥かによくなることだといい続けてきました。

沿岸部はまだまだ復旧の途にありましたが、誰かが先のことを考え取り組む必要があったからです。

そのために震災前になかった事業をどんどん立ち上げることが大事だと考え、さまざまなプロジェクトを立ち上げてきました

フランス式牡蠣養殖、三陸オイスターフェスティバル、三陸牡蠣ノボリプロジェクト、三陸カキ小屋パートナー制度、三陸プレミアム牡蠣養殖支援プロジェクトなど。

自社でも直営として、2012年にかき小屋渡波(その後、店長に譲渡)、かき小屋仙台港をオープンし、2013年にベトナムでKAKIGOYAを開始し(2015年に終了)、昨年牡蠣キッチンカーを始め、そして今回、カジュアルオイスターバーのかき蔵をオープンしました。

しかし、それはまだ三陸牡蠣全体を変えるまでは至らず、震災前よりも良い状況になっているとは言えません。

もし、前述のように、「仙台は牛たんもあるけれど牡蠣が有名だよね」と、牡蠣の街として認知されたときに、僕は震災前よりもより良い三陸牡蠣業界になるのだろうと思っています。

もう一度、書きます。

仙台が、牡蠣の街として、日本中で有名になり、世界からもお客様が来られたとき、それは一つの真の復興の姿だ、と僕は思っています。

それに向かって、果敢な挑戦(Boldly Go)をし続けていきたいと思っています。

Oyster&Fish dining かき蔵
Oyster&Fish dining かき蔵
ジャンル:国内外の厳選した牡蠣
アクセス:仙台市営地下鉄南北線勾当台公園駅 徒歩4分
住所:〒980-0803 宮城県仙台市青葉区国分町2-15-10 JPビル3F(地図

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